「おせっかいジイジのちょっと一言」
「電池のお話」
皆さんこんにちは。原稿を書いているのが7月25日なのですが、、梅雨の末期のような天候です。今年は梅雨明けが2回あるような天候ですね。
今回のテーマである「電池のお話」ですが、実は弊社ではこの使用済み電池(以下電池といいます)が原因で約4年ほど前に弊社のメイン工場が火災になり、約3か月間ほど営業ができない被害を受けました。
新聞や、業界のニュースを見ていると毎月のように同業者が、弊社と同様に、電池が原因で工場が火災に見舞われ、大きな損害を受けております。
弊社は、当時の教訓を生かして、再発防止対策として、全自動初期消火システムを5工場に設置を行い再び同じような被害を起こさない様改善しました。
業務の特徴上、火災が起きたからといって荷受けを停止する事はできない立場である事を弊社の使命と考え、今回の火災対策を実施した事で、今まで以上に万全な危機管理体制を整えました。
さて、私たちの業界では電池は大変厄介な存在でしかない商品ですが、見方を変えてリサイクル資源としての価値を調べてみました。
現在、主流のリチウムイオン電池を取り上げて実態を調べてみると、とても高価な資源を使って作られており、今後、大変魅力的なビジネスになることが想像されます。
2019年に発生したリチウムイオン電池の廃棄された数量は50万トンだそうです。仮に、すべてがリサイクルされる前提で評価すると、金額にして約5兆円の価値がある商材だそうです。
残念なことに、現在のリサイクル技術では製造コストが評価金額を上回ってしまい採算が合わず、大半が単価の安いスラグに加工されて路盤材に使われているそうです。(最低限のリサイクルはされてはいますが・・・。)
2040年には自動車の58%がEV化しており、使用済みで廃棄されるリチウムイオン電池は、なんと、800万トンにもなるそうです。仮に、それまでにリサイクル技術が確立されておれば、金額に換算すると80兆円という天文学的数字の経済価値が得られることが約束されることになります。
宝の山が目の前にあるにも関わらず、技術がないがため、路盤材として処理されていること自体、なんとも、もったいない事だと思うのは私だけではないと思います。
どこかでリサイクル技術の研究を必ずしているのではと調べてみたところ、現在、中国企業を中心に欧米諸国の企業が熱心に研究開発をしており、多くの製法特許技術が生まれているようです。近い将来リサイクル技術が確立され、大きな経済的利益をもたらす様になる事が予想されます。リチウムイオン電池の発明国である日本にも頑張って欲しいものです。
現実の世界に戻りますが、弊社では、お客様と契約している産廃ボックスに電池が混入しないようにするためにはどうしたらよいか、現在妙案を検討中です。
混ぜれば厄介なゴミ(危険物)、分ければ貴重なリサイクル資源。
排出事業者皆様のご協力を頂いて、限りある有効資源を大切に使える様、また、火災という不幸な事故が起きない様、分別の徹底にご協力をお願いします。