全天候型中間処理施設と排出事業者責任 (寺田昌央)

 

弊社には8つの工場(産業廃棄物中間処理施設)があります。袋井RPF工場と磐田工場は処理した物を商品に生まれ変わらせる専用工場ですので、少し趣が違いますが…。

それらの工場のうち、お客様から受け入れた100%に近い廃棄物を処理する5工場(袋井工場・袋井RPF工場・桜台工場・大川工場・岡部工場)は全天候型中間処理施設であります。中間処理の全ての工程を外部から閉ざされた建物の中で行っており、大雨や台風そして強風でも関係なく作業が行える工場なのです。この業界においてこういった工場は少数だという事をまずご理解ください。

 

廃棄物には埃や汚れが付着した物があります。工場で受け入れて、まず大まかに品目別に選別、その後工場のラインで細かに選別、そこをスルーされた物が大型の破砕機で破砕されその際に大量の埃が発生します(弊社工場では集塵機で回収)。破砕された物の中には環境に対して有害な物質が含まれている場合もあります。

屋根がなく外部に対して開放的な工場であったらどうでしょうか? 風が吹けば埃が飛んで行ってしまいます。雨が降れば埃や汚れ・有害物質が流れ出します。排水設備があるはずですので、通常の雨であれば処理できるかと思いますが、ゲリラ豪雨や線状降水帯が来たらどうでしょう。そういった形で地球環境を損なう可能性があります。

 

排出事業者様は自らの廃棄物がどのように処理されているか・問題を起こしていないか、しっかり確認と必要措置を講ずる責任が法律により定められています。処理を委託したら終わりではありません。

 事業者様が物品を購入されれば品物が手に入ってそれが金額に対して相応の物なのかは容易にご判断が出来ます。廃棄物処理は事業者様の目に見えません、お金を払えば廃棄物が目の前から無くなって一件落着、持って行ってくれれば安ければ安い方がいいというお考えにどうしてもなりがちです。

地球環境の為に…目の前から消えた廃棄物のその後に関してご関心をお持ちいただく必要があります。まずは、現状お取引先の処理環境や状況の現地確認をされるとよろしいかと考えます。